突然の発熱や咳、いつもと違うぐずり方をする赤ちゃんを前にすると、不安でいっぱいになりますよね。
赤ちゃんは自分で「苦しい」「喉が痛い」「気持ち悪い」と伝えることができません。
だからこそ、インフルエンザにかかったときには、熱の数字だけを見るのではなく、呼吸・水分・おしっこ・意識・機嫌など、普段との違いを見てあげることが大切です。
この記事では、赤ちゃんがインフルエンザになったときに、知っておきたいことをできるだけ分かりやすくまとめます。
※この記事は一般的な情報です。赤ちゃんの月齢や持病、症状によって対応は異なります。心配な症状がある場合は、自己判断せず小児科や救急相談窓口に相談してください。
赤ちゃんのインフルエンザは「熱だけ」を見ない
インフルエンザでは、発熱、咳、鼻水、のどの痛みなどがみられます。一般的には急に発熱することが特徴ですが、赤ちゃんの場合は症状の出方が分かりにくいこともあります。
たとえば、
- いつもより機嫌が悪い
- ずっと泣いている
- 反対に、いつもより眠ってばかりいる
- 母乳やミルクを飲む量が減った
- 離乳食を食べない
- 咳や鼻水がひどい
- おしっこの回数が減った
- 呼吸がいつもと違う
といった変化がないかを確認しましょう。
特に赤ちゃんの場合は、「熱が何℃あるか」だけで重症度を判断しないことが大切です。
赤ちゃんがインフルエンザになったら、まず何をすればいい?
まずは慌てず、赤ちゃんの状態を確認しましょう。
① 呼吸は苦しくなさそう?
胸やお腹が大きく上下していないか、ゼーゼーしていないか、息苦しそうではないかを見ます。
唇や顔色が明らかに悪い、呼吸が苦しそう、呼吸が弱いなどの場合は、緊急性があります。厚生労働省も、子どもの「激しい咳やゼーゼーして呼吸が苦しそう」「呼吸が弱い」「くちびるの色が紫色」などを、救急車を呼ぶ目安として挙げています。
② 母乳・ミルクは飲めている?
発熱や鼻づまり、咳などがあると、赤ちゃんは母乳やミルクを飲みにくくなることがあります。
一度にたくさん飲ませようとするより、赤ちゃんが飲める量を少しずつという考え方でよいでしょう。
母乳であれば、いつもより回数を分けて授乳する方法もあります。
ミルクの場合も、無理に一度に飲ませようとせず、赤ちゃんの様子を見ながら与えます。
ただし、ほとんど飲めない状態が続いている場合は、脱水の心配があります。
③ おしっこは出ている?
赤ちゃんの体調を見るときに、意外と重要なのがおしっこです。
「何時間もおしっこが出ていない」「明らかに回数が減った」という場合は、水分が足りていない可能性があります。
母乳やミルクの飲み具合と合わせて確認しましょう。
④ 赤ちゃんの反応はいつもと違わない?
熱があっても、抱っこすると反応する、目を合わせる、母乳やミルクをある程度飲むなど、普段と大きく変わらないのであれば、まず落ち着いて様子を確認できます。
一方で、
- 呼びかけへの反応が弱い
- ぐったりしている
- 意識がおかしい
- けいれんがある
- いつもと明らかに違う
という場合は、早急な受診が必要です。
インフルエンザでは、子どもにまれに急性脳症などの重い合併症が起こることがあります。
赤ちゃんの熱、何℃なら病院に行く?
「38℃になったら必ず救急?」など、熱の数字だけで判断したくなるところですが、赤ちゃんでは月齢と全身状態を合わせて判断することが重要です。
特に生後3か月未満の赤ちゃんは注意が必要です。
厚生労働省の救急受診の案内でも、生まれて3か月未満の乳児は緊急性が高いケースとして挙げられています。
また、熱の高さにかかわらず、
- 呼吸が苦しそう
- 顔色や唇の色がおかしい
- 水分がほとんど取れない
- おしっこが出ない
- ぐったりしている
- 意識がおかしい
- けいれんがある
- 繰り返し吐いている
などの症状があれば、早めに医療機関へ相談しましょう。
「いつもと違う」というお母さんの感覚も大切です。
インフルエンザの薬は赤ちゃんでも使える?
インフルエンザには抗インフルエンザウイルス薬があります。
ただし、赤ちゃんだから自己判断で薬を使う、ということはできません。
年齢、体重、症状、発症からの時間などによって、薬を使用するかどうかや種類・量などが判断されます。
抗インフルエンザウイルス薬は、一般に発症から48時間以内に開始すると、発熱期間を短縮する効果が期待されています。
そのため、赤ちゃんにインフルエンザが疑われる場合は、できるだけ早めに小児科へ相談しましょう。
「もう熱が出てから時間が経っているから意味がない」と自己判断せず、受診時にはいつから、どのような症状が出たのかを伝えることが大切です。
解熱剤は使っていい?
赤ちゃんが熱を出すと、「熱を下げてあげたい」と思いますよね。
しかし、解熱剤は年齢や体重に合ったものを、医師・薬剤師などの指示に従って使用することが大切です。
大人用の薬を自己判断で少量だけ飲ませる、といった使い方はしないでください。
処方された薬がある場合は、指示された量・回数を守りましょう。
また、市販薬についても、赤ちゃんに使用できるとは限りません。
「家にある薬だから」と自己判断せず、使用前に医師や薬剤師へ確認しましょう。
熱がある赤ちゃん、厚着させたほうがいい?
「汗をたくさんかかせれば熱が下がる」と考えて、厚着をさせすぎるのはおすすめできません。
赤ちゃんの様子を見ながら、暑すぎない服装にしてあげましょう。
汗をかいて服が濡れている場合は、着替えさせてあげます。
部屋も暑くしすぎず、赤ちゃんが過ごしやすい環境を整えましょう。
鼻づまりで母乳・ミルクが飲めないときは?
赤ちゃんは鼻で呼吸しながら授乳するため、鼻づまりがひどくなると母乳やミルクを飲みにくくなることがあります。
その場合は、授乳前に鼻水をやさしく取り除いてあげると、飲みやすくなることがあります。
ただし、鼻吸い器などを使用する場合は、製品の説明に従い、粘膜を傷つけないよう注意してください。
「飲めない→脱水」という悪循環にならないよう、飲めている量とおしっこの状態をこまめに確認することがポイントです。
母乳は続けていい?
基本的には、赤ちゃんが飲めるのであれば、母乳を続けて構いません。
体調が悪いと一度にたくさん飲めないこともあるため、赤ちゃんの様子を見ながら授乳しましょう。
お母さん自身がインフルエンザになってしまった場合は、赤ちゃんへの感染を防ぐため、手洗いや咳エチケットなどの感染対策を意識することが重要です。
お母さん自身の体調が悪い場合は、無理をせず周囲の家族などにも協力してもらいましょう。
家族にうつさないためには?
赤ちゃんがインフルエンザになると、「上の子やパパにうつったらどうしよう」と心配になりますよね。
家庭内感染を完全に防ぐことは難しいですが、できる対策があります。
手洗いをこまめに
赤ちゃんのお世話の前後、鼻水を拭いた後、食事の前などは手洗いをしましょう。
タオルを共用しない
家族で同じタオルを使うのではなく、できるだけ分けておくと安心です。
こまめに換気する
家族が集まる部屋は、定期的に換気しましょう。
咳やくしゃみがある人はマスクを
お世話をする大人に咳やくしゃみなどの症状がある場合は、赤ちゃんへの感染を広げないためにマスクを使用することも対策になります。
おもちゃや身の回りの物にも注意
赤ちゃんは何でも口に入れるため、よく触るおもちゃなどは清潔にしておきましょう。
ただし、家庭内で完璧な感染対策をしようとして、お母さんが疲れ切ってしまってはいけません。
できる範囲で、基本的な対策を続けることが大切です。
「赤ちゃんに触れないほうがいい?」と悩んだら
インフルエンザになった赤ちゃんは、できるだけ休ませてあげる必要があります。
でも、赤ちゃんにとってお母さんの抱っこや声かけは大切な安心材料です。
感染対策をしながら、必要なお世話や抱っこをしてあげましょう。
お母さん自身が感染している場合には、手洗い、マスクなどを組み合わせながらお世話をします。
「感染させたらどうしよう」と必要以上に自分を責める必要はありません。
インフルエンザは感染力の強い病気です。
今は、赤ちゃんの体調を観察しながら、できる対策を一つずつ行うことが大切です。
夜中に状態が悪くなったらどうする?
赤ちゃんの病気で一番不安なのが、夜間ではないでしょうか。
「病院が閉まっている」
「救急車を呼ぶほどなのか分からない」
そんなときは地域の救急相談窓口や、かかりつけ医の案内を利用しましょう。
ただし、
- 呼吸が苦しそう
- 唇が紫色
- 意識がおかしい
- けいれんしている
- 呼吸が弱い
- 明らかにぐったりしている
などの場合は、ためらわず救急要請を検討してください。厚生労働省も、こうした症状を子どもの緊急性の高いサインとして案内しています。
特に生後3か月未満の赤ちゃんは、症状が軽く見えても早めの医療相談が大切です。
チェックしておきたい「5つのポイント」
赤ちゃんがインフルエンザになったら、何度も体温だけを測るより、次の5つをチェックしてみましょう。
① 呼吸
苦しそうではないか、ゼーゼーしていないか。
② 水分
母乳・ミルクが飲めているか。
③ おしっこ
普段と比べて明らかに減っていないか。
④ 意識・機嫌
呼びかけに反応するか、ぐったりしていないか。
⑤ 症状の変化
咳や熱などが急激に悪化していないか。
この5つを確認するだけでも、赤ちゃんの状態を把握しやすくなります。
「熱が下がったからもう安心」とは限らない
熱が下がると、少しホッとしますよね。
でも、赤ちゃんの場合は熱が下がった後も、食欲や水分摂取、呼吸、機嫌などをしばらく確認してあげましょう。
一度よくなったように見えても、再び症状が悪化することがあります。
「熱は下がったけれど、明らかに元気がない」
「ミルクをほとんど飲まなくなった」
「咳がひどくなった」
など、気になる変化があれば医療機関へ相談しましょう。
最後に。
赤ちゃんがインフルエンザになると、
「もっと早く気づいてあげればよかった」
「私がうつしてしまったのかもしれない」
「このまま悪くなったらどうしよう」
と、不安になってしまう人も多いと思います。
でも、今いちばん大切なのは、自分を責めることではありません。
赤ちゃんの呼吸を見て、母乳やミルクが飲めているか確認して、おしっこを確認する。
そして、「いつもと違う」と感じたら医療機関に相談する。
それで十分です。
インフルエンザは、子どもでは重症化することもありますが、必要な治療やケアにつなげるためには、早めに異変に気づくことが大切です。
赤ちゃんの小さな変化に気づけるのは、毎日そばにいるお母さんだからこそです。
「これくらいで病院に電話していいのかな?」と思ったときも、心配であれば相談して大丈夫。
少しでも安心してこの時期を乗り越えられますように。
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